結婚相談所を探し始めると、たくさんの「比較表」が出てきます。
会員数10万人。成婚率90%。月会費1万円。専任カウンセラーによる手厚いサポート。
数字だけを見れば、会員数は多いほうがよく、成婚率は高いほうがよく、料金は安いほうがよく見えます。
ところが、結婚相談所は、この数字だけで選ぶとうまく比較できません。
理由は単純です。相談所によって、会員数の数え方、成婚率の計算方法、「成婚」の定義、料金に含まれる範囲、カウンセラーが実際にしてくれることが違うからです。
私は仲人士として婚活の現場にいますが、相談所選びで大切なのは「一番数字が大きい会社」を探すことではないと思っています。
自分に必要な支援を決め、その条件で2〜3社まで候補を絞り、最後は同じ質問をして比べる。
この記事では、その2〜3社まで絞り込むところまで順番に説明します。
諏訪義久(すわ よしひさ)|フォーマリッジ代表
婚活アドバイザー(仲人士)。日本仲人協会「カリスマ仲人士100」選出、年間成婚優秀賞8年連続受賞。マクドナルド本社で20年間の勤務を経て独立。自身も社内結婚の経験を持つ2児の父。
結論|結婚相談所は「ランキング」ではなく5段階で選ぶ
結婚相談所は、社名から比べるのではなく「自分に必要な支援」を決めてから比較するほうが失敗しにくいです。
- 自分に必要な支援方式を決める
- 同じ方式の相談所だけを候補にする
- 12ヶ月・24ヶ月の総額を計算する
- 会員数・成婚率・サポートの中身を確認する
- 残った2〜3社に同じ質問をする
重要なのは、いきなり社名を比べないことです。自分で婚活を進められる人と、仲人にかなり手伝ってもらいたい人では、そもそも必要なサービスが違います。
「どこが一番いいか」ではなく、「自分には何が必要か」から始める。ここが相談所選びの出発点です。
STEP1|まず「どこまで自分でできるか」を決める
最初に決めるのは相談所の名前ではなく、自分に必要な支援の量です。
| 方式 | 相手探し | サポート | 費用傾向 |
|---|---|---|---|
| 仲人型 | 仲人からの提案も受ける | 多い | 高め |
| データマッチング型 | システム+自分 | 中程度 | 中間 |
| オンライン型 | 基本的に自分 | 少ない | 安め |
自分で婚活を進められる人
自分で検索して「この人に申し込んでみよう」と判断し、断られても次へ進める。日程調整や交際中の判断も、ある程度自分でできる。
このタイプなら、オンライン型やデータマッチング型でも十分な可能性があります。
誰かと相談しながら進めたい人
一方で、「誰に申し込めばいいのか分からない」「お見合い後、次へ進むべきか迷う」「交際相手の気持ちが分からなくなった」というときに、第三者へ相談したい人もいます。
この場合は、仲人型を候補に入れたほうがいいでしょう。
婚活では、相手を探すことよりも、うまくいかない期間にも活動を続けることのほうが難しいことがあります。だから「検索機能が多いか」だけではなく、自分が半年、1年と活動を続けるために何が必要かで方式を選んでください。
STEP2|同じ方式の相談所だけを比較する
方式が違う相談所を、料金だけで同じランキングに並べないでください。
オンライン型と仲人型では、人が介在する量が違います。当然、料金も違います。
それを一つの表に並べ、「A社は月1万円、B社は月2万円だからA社がお得」と判断しても、あまり意味がありません。
まず自分に必要な方式を決める。そのうえで、同じ方式の中から比較する。これだけでも候補はかなり整理できます。
STEP3|料金は月会費ではなく「12ヶ月・24ヶ月総額」で見る
月会費だけを見比べるのは意味がありません。初期費用・月会費・お見合い料・成婚料まで、同じ活動期間で合計してください。
- 初期費用:入会金・登録料など
- 月会費:活動月数だけ積み上がる
- お見合い料:1回ごとに発生する場合がある
- 成婚料:成婚退会時に発生する場合がある
初期費用 +(月会費 × 活動月数)+(お見合い料 × 回数)+ 成婚料
これを12ヶ月と24ヶ月の2通りで計算してください。
活動が長引くと、安い相談所が入れ替わる
| A社 成婚料あり型 | B社 月会費高め型 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 10万円 | 10万円 |
| 月会費 | 1万円 | 2万円 |
| 成婚料 | 20万円 | 0円 |
| 12ヶ月で成婚 | 42万円 | 34万円 |
| 24ヶ月で成婚 | 54万円 | 58万円 |
「月額が安い相談所」=「最終的に安い相談所」ではありません。
STEP4|会員数は「何万人いるか」より「自分の条件で何人いるか」
広告に出ている会員数より、自分の条件に合う人が今何人いるかのほうが重要です。
多くの相談所は「連盟」と呼ばれるネットワークに加盟し、そのデータベースを通じて他の加盟相談所の会員にも申し込みます。
そのため、総会員数だけでは判断しないでください。
「私の年齢・希望地域・希望条件で検索すると、現在何人くらい該当しますか?」
10万人いても、自分の希望条件に当てはまる人が少なければ意味がありません。逆に総会員数が少なく見えても、自分の条件に合う人が十分いるなら問題ありません。
複数社を検討するときは「加盟連盟」も確認する
同じ連盟を利用している相談所では、検索できる会員が大きく重なる可能性があります。
ただし、同じ連盟でも、紹介方法・申込可能件数・担当者による推薦・サポートなどは相談所ごとに異なる可能性があります。
したがって「同じ連盟ならどこでも同じ」ではありません。会員数だけを理由に同じ連盟の相談所を複数契約する必要があるのかは、一度考えたほうがいいでしょう。
STEP5|成婚率は数字を見る前に「分母」を聞く
成婚率は、比較表の中でもっとも慎重に見るべき数字です。計算方法が統一されていないからです。
仮に100人の会員がいて、1年間に60人が退会し、そのうち30人が成婚退会したとします。
| 分母の取り方 | 計算 | 成婚率 |
|---|---|---|
| 退会した人を分母にする | 30 ÷ 60 | 50% |
| その年の入会者を分母にする | 30 ÷ 100 | 30% |
さらに、相談所によっては別の集計方法を採用していることがあります。「成婚」の定義そのものも同じとは限りません。
無料相談では、「その成婚率は、何を分母にして計算していますか?」と聞いてください。
- 集計期間
- 成婚の定義
- 自分と近い年代・条件の実績
- 成婚までの活動期間
STEP6|「手厚いサポート」は言葉ではなく行動に分解する
「専任」「親身」「手厚い」だけでは、サポートの中身は比較できません。
- プロフィール作成をどこまで手伝うのか
- 写真撮影は料金に含まれるのか
- お見合いの日程調整は誰がするのか
- お見合い後の振り返りをするのか
- 交際中にも相談できるのか
- 返信は通常何日以内なのか
- 担当者ひとりが何人程度を担当しているのか
こうすると、「サポートが手厚い」という曖昧な言葉が、実際のサービスに変わります。
仲人型を選ぶなら、私は特に担当者との相性を見てほしいと思っています。何でも肯定してくれる人がいいのか、率直に問題点を指摘してくれる人がいいのか、じっくり話を聞いてくれる人がいいのか。これは人によって違います。
STEP7|「入る条件」だけでなく「やめる条件」を見る
休会・中途退会・返金・成婚料が発生する条件は、契約前に確認してください。
結婚相手紹介サービスは、契約期間が2ヶ月を超え、金額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたります。多くの結婚相談所がこれに該当します。
この場合、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフができます。それを過ぎた後の中途解約でも、相談所が請求できる金額の上限は法律で決まっています。
活動を始める前なら3万円まで。活動を始めた後は、2万円か契約残額の20%のうち低いほうまで(これに、すでに受けたサービス分の対価が加わります)。つまり青天井にはなりません(消費者庁 特定商取引法ガイド・2026年8月確認時点)。
無料相談では、「途中で活動をやめた場合、いくら返金されますか?」と具体的に確認してください。
料金・成婚率の定義・サポート範囲・中途解約条件など重要な項目は、公式料金表や概要書面など記録に残るものでも確認してください。
最後に2〜3社へ「同じ6つの質問」をする
候補が2〜3社まで絞れたら、すべての無料相談で同じ質問をしてください。回答の差が、そのまま相談所の差になります。
- 加盟連盟:どの連盟に加盟していますか。その会員には自由に申し込めますか
- 総額:12ヶ月、24ヶ月活動した場合、それぞれ総額はいくらですか
- お見合い:1回あたりの料金と、毎月申し込める人数を教えてください
- 成婚率:掲載している成婚率の分母と集計期間、成婚の定義を教えてください
- サポート:担当者ひとりが何人程度の会員を担当していますか。連絡への返信はどのくらいですか。写真撮影・プロフィール作成・お見合いの日程調整・交際中の相談のうち、どこまでが料金に含まれますか
- 退会・休会:休会できますか。途中退会した場合、返金はどうなりますか
1社だけで聞くと、その回答が普通なのか判断できません。2社目、3社目にも同じことを聞くと、回答の具体性、説明の透明性、担当者の姿勢まで比較できます。
この表を埋めれば、候補が見えてくる
| 確認項目 | 1社目 | 2社目 | 3社目 |
|---|---|---|---|
| 方式 | |||
| 加盟連盟 | |||
| 自分の条件に合う会員数 | |||
| 12ヶ月総額 | |||
| 24ヶ月総額 | |||
| 月の申込可能人数 | |||
| 成婚率の定義 | |||
| 担当者のサポート範囲 | |||
| 返信の目安 | |||
| 休会条件 | |||
| 中途解約・返金 | |||
| 面談した印象 |
諏訪義久(仲人士)からひとこと
相談所を選んでいると、どうしても数字が気になります。
会員数。成婚率。料金。実績。もちろん、どれも大切です。
でも私は、最後の2〜3社まで残ったら、数字だけで決めなくてもいいと思っています。
婚活は商品を買って終わるサービスではありません。活動が始まってから、「この人に申し込むべきでしょうか」「お見合いでこんなことを言われました」「交際を続けるべきか迷っています」「もう婚活をやめたいです」という場面が出てきます。
そのときに相談する相手が、担当者です。
「うまくいっていないとき、この人に相談したいと思えるか」
最後には、そこを見てください。
私は自分自身も仲人型の結婚相談所を運営しています。だから、この記事で「仲人型が一番いい」と言うつもりはありません。
自分で進められる人なら、もっと安い方法で十分かもしれません。大手の仕組みや安心感が合う人もいます。個人の仲人とじっくり進めるほうが合う人もいます。
大切なのは、相談所に自分を合わせるのではなく、自分に必要な相談所を選ぶことです。
そして、もし仲人型の相談所を候補にするのであれば、この記事に書いた質問を私にもしてください。
成婚率の分母も。料金も。サポートの範囲も。退会するときの条件も。
同じ基準で比べたうえで、「ここなら活動を続けられそうだ」と思った相談所を選んでください。
それが、その人にとっての「おすすめの結婚相談所」だと私は思っています。
※ この記事は、結婚相談所フォーマリッジ(日本仲人協会加盟)が運営するメディアの記事です。特定の結婚相談所を一律に推奨するものではありません。料金や制度は変更されることがあります。契約前に各社の公式サイトおよび契約書面をご確認ください。当サイトのコンテンツポリシーもあわせてご覧ください。
