池袋で仲人型の結婚相談所を運営していると、「国際結婚に興味があるんですが……」というご相談をいただくことがあります。仲人として率直に申し上げると、国際結婚の婚活は国内とはまったく勝手が違います。だからこそ、動き出す前に知っておくべきことがある。
諏訪義久(すわ よしひさ)|フォーマリッジ代表
婚活アドバイザー(仲人士)。日本仲人協会「カリスマ仲人士100」選出、年間成婚優秀賞7年連続受賞。マクドナルド本社で20年間の勤務を経て独立。自身も社内結婚の経験を持つ2児の父。
「外国人のパートナーと結婚したい」と思ったとき、最初にぶつかる壁は想像と違うところにあります。
言葉の壁でも文化の違いでもありません。「どこで出会えばいいのか」がわからないという、入り口の問題です。
マッチングアプリには外国人利用者もいますが、結婚前提かどうかの見極めが難しい。では結婚相談所なら? 実は、一般的なIBJ系の相談所に問い合わせても「日本国籍または永住権をお持ちの方が対象です」と断られるケースがほとんどです。
つまり、国際結婚を目指す婚活には専用のルートが必要になります。この記事では、国際結婚対応の相談所タイプと選び方、文化・ビザの壁をどう乗り越えるか、そして「思っていたよりかかった」と後悔しないためのコスト感覚まで、率直にまとめます。
この記事でわかること
- 国際結婚件数の推移(厚生労働省データ)
- 国際結婚に対応した相談所の3タイプと選び方
- 言語・文化の壁を乗り越えた成婚カップルの共通点
- ビザ申請の基本的な流れと費用感
- 国内婚活より追加でかかるコストの目安
国際結婚は「減っている」 でも、なくなったわけじゃない
国際結婚は減少傾向にありますが、それだけで諦める必要はありません。
国際結婚に興味を持つと、どこかで「日本の国際結婚は減少傾向」というデータを目にします。事実です。でも、その数字だけで諦めるのは早い。
| 年 | 国際結婚件数と全婚姻に占める割合 |
|---|---|
| 2005年 | 41,481件。6.1%(ピーク) |
| 2010年 | 30,207件。4.5% |
| 2015年 | 21,122件。3.2% |
| 2020年 | 15,440件。2.9% |
| 2022年 | 15,849件。3.1% |
出典:厚生労働省「人口動態統計」。夫婦の一方が外国籍のケース。
ピークの4万件超から、現在は1.5万件台。数字だけ見れば「減っている」で正解です。
でも、考えてみてください。年間1万5千組以上が国際結婚しているということは、毎日40組以上が国境を越えて家族になっている計算です。特殊なケースどころか、もはや日本社会の風景の一部になっています。
しかも在日外国人は増加の一途をたどっており、オンラインでの出会いも当たり前になった。件数の底打ち感は、データからも読み取れます。
普通の相談所に入会すると国際結婚の相手と出会えないことが多い
普通の結婚相談所は国内の出会いが中心のため、国際結婚を希望しても対応できないことが多いです。
国際結婚を望んで結婚相談所を調べ始めると、最初に味わうのは「門前払い」の感覚かもしれません。
IBJ加盟の相談所に電話しても「外国籍の方の登録は受け付けておりません」。別の大手に聞いても「永住権をお持ちでしたら……」。これが現実です。悪意があるわけではなく、国内向けのシステムが国際対応を前提に作られていないだけ。
では、どうするか。国際結婚に対応した相談所は、大きく3タイプに分かれます。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 | デメリット |
|---|---|---|---|
| 国際結婚専門相談所 | 特定国籍に特化、ビザ相談サポートあり | 特定の国の方との結婚を希望する人 | 会員数が少ない場合がある |
| 国際部門を持つ大手相談所 | 英語対応・バイリンガルカウンセラー在籍 | 国籍不問で条件が合う相手を探したい人 | 費用が高くなりやすい |
| 海外在住日本人向け相談所 | オンラインお見合い対応、海外在住会員多数 | 日本語が話せる外国籍の方・帰国予定者 | 対面サポートが限定的 |
※独自調査をもとに作成。各相談所の対応状況は公式サイトで必ず確認してください。
どのタイプを選ぶかは、あなたの状況次第です。ただし、入会前に必ず確認すべきポイントは3つだけ。
①外国籍会員の登録が可能か。当たり前のようで、ここで弾かれるケースが最も多い。
②バイリンガル対応のカウンセラーがいるか。お見合いの段取り、交際中の相談、すべてに言語の壁がつきまとう。
③ビザ手続きのアドバイスをしてくれるか。ここまでカバーしてくれる相談所は少ないが、あると圧倒的に心強い。
この3つを軸に、複数の相談所に問い合わせて比較してください。1社で決めるのは、国際結婚ではとくにリスクが高い判断です。
言葉より「住む場所の問題」を先に整理しないと国際結婚は難しくなりやすい
英語力よりも「どこに住むか」という問題のほうが国際結婚の大きな壁になりやすいです。
「英語が話せないと国際結婚は無理でしょ?」
これ、よく聞く不安です。でも、婚活カウンセラーへのヒアリングで繰り返し出てきた言葉は意外なものでした。
「語学力よりも、どこに住むかを決められるかどうかのほうがずっと大事です」
成婚に至ったカップルに共通する特徴を整理すると、言葉の上手さは上位に入ってきません。代わりに出てくるのは、もっと生活に根ざした覚悟の話です。
| 共通する特徴 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 英語を共通言語として使う | お互いがネイティブでなくても英語でコミュニケーション。完璧より「伝えようとする姿勢」が重要 |
| 居住地を交際中に決めている | 「日本に住む」「相手国に住む」「どちらかが移住する」を早期に合意。曖昧にすると成婚後に摩擦が大きい |
| 相手の国を実際に訪問した | 家族・生活環境・食文化を自分の目で見ている。「想像と違った」という離婚リスクを下げる最短ルート |
| 宗教・食文化の違いを受け入れている | 違いを「問題」ではなく「面白さ」と捉える柔軟性がある |
| 子どもの教育方針を話し合っている | バイリンガル教育・国籍の扱いを交際中に確認。子どもの二重国籍問題は22歳までに選択義務がある |
※婚活カウンセラーへのヒアリングをもとに独自作成。
とくに2番目の「居住地の合意」は、甘く見ると取り返しがつかなくなります。
交際中は「なんとかなるよね」で済んでいたことが、結婚後に現実の重さを持って降りかかってくる。仕事を辞めて異国に移住するのか。親の介護はどうするのか。子どもの学校は。
これらを「交際中に」話し合えたカップルが、成婚後も安定しているというのは、考えてみれば当然の話です。
仲人として会員さんのお見合いに立ち会ってきた経験から一つだけ補足すると、国際結婚に限らず、「将来どこに住むか」を曖昧にしたまま成婚退会されたカップルほど、後から相談の連絡をいただくことが多い。逆に、交際中にお互いの親御さんの住む街まで一緒に訪れたカップルは、驚くほどスムーズに新生活をスタートされています。
ビザの準備を後回しにすると予想外のコストと時間に追い詰められやすい
ビザ手続きには50〜100万円の追加コストがかかることもあり、後回しにすると大きな壁になります。
国際結婚のもう一つの壁が、ビザです。恋愛の延長で考えていると、ここで急に行政手続きの冷たさに直面します。
外国籍のパートナーが日本に住む場合は「日本人の配偶者等」の在留資格が必要になり、審査には数ヶ月かかる場合があります。書類の準備は煩雑で、行政書士への依頼が一般的です。
配偶者ビザ申請の主な流れ
- 日本で婚姻届を提出(相手国での手続きが別途必要な場合あり)
- 出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」を申請
- 認定証明書を相手国の日本大使館・領事館に提出してビザ申請
- ビザ取得後に日本へ入国・在留カード取得
- 在留期限が来たら更新申請(1年または3年ごと)
※出入国在留管理庁の公開情報をもとに作成。手続きは個別状況で異なります。行政書士への相談を推奨します。
そして、ここからが本題。国際結婚では相談所の費用に加えて、以下のコストが上乗せされます。
- ビザ申請(行政書士費用):5〜15万円程度
- 渡航費:相手国への訪問、家族への挨拶など複数回
- 相手国での婚姻手続き費用:国によって大きく異なる
- 書類翻訳・公証費用:戸籍謄本の翻訳、アポスティーユなど
トータルで国内婚活より50〜100万円程度多くなるケースが一般的です。
この金額を「高い」と感じるかどうかは人それぞれですが、知らずに始めて途中で資金が尽きるのが最悪のパターンです。事前に全体像を把握して、予算に組み込んでおく。それだけで、心の余裕がまったく違ってきます。
相談所選びの基本は結婚相談所の選び方の記事を参考に、国際対応の有無を確認したうえでおすすめ結婚相談所の比較記事から候補を絞ってください。入会に必要な書類や審査基準については入会条件の解説記事も確認しておくとスムーズです。追加コストを含む費用の全体像は費用比較記事で把握できます。
- 普通の結婚相談所でも外国人パートナーを探せますか?
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一般的な国内向け相談所(IBJ加盟など)は、日本国籍または永住権保有者を対象にしているケースがほとんどです。外国籍の方との出会いを希望するなら、国際結婚専門の相談所か、国際部門を持つ大手相談所に問い合わせることが先決です。
- お見合いは日本語でないといけませんか?
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国際結婚対応の相談所であれば、英語や通訳同席でのお見合いが可能なケースがあります。バイリンガルカウンセラーが間に入るケースもあります。入会前に「どの言語でお見合いができるか」を確認してください。
- 国際結婚の費用は国内婚活よりどのくらい高くなりますか?
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相談所費用自体は大きく変わりませんが、ビザ申請(行政書士費用5〜15万円程度)、海外渡航費・相手国での手続き費用、書類翻訳・公証費用が追加でかかります。トータルでは国内婚活より50〜100万円程度多くなるケースが多いです。
- 子どもが生まれた場合、国籍はどうなりますか?
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日本人と外国人の間に生まれた子どもは出生時に二重国籍となるのが原則です(日本国籍法と相手国の法律による)。日本では22歳になるまでにどちらかの国籍を選択する義務があります。子どもの教育方針・国籍選択は交際中に話し合っておくことをおすすめします。
事前に準備を整えた人ほど国際結婚の婚活はうまくいきやすい
国際結婚の婚活は国内とはルールが違います。準備して動き出した人ほど静かにうまくいきます。
国際結婚の婚活は、国内の婚活とは別のゲームです。ルールが違うし、かかる時間もお金も違う。
でも、だからこそ「ちゃんと準備した人」が強い。
対応できる相談所を見つけること。居住地やビザの問題を交際中に話し合うこと。追加コストを予算に組み込むこと。どれも地味な準備ですが、これができている人は、成婚後の生活も安定しているとカウンセラーは口を揃えます。
言葉の壁は、なんとかなります。翻訳ツールもあるし、カウンセラーの通訳もある。それよりも大事なのは、「この人と一緒に暮らすために、何を決めておくべきか」を冷静に考えられるかどうか。
国境を越えた婚活は大変ですが、その分だけ、うまくいったときの人生の広がりは計り知れません。まずは国際対応の相談所に問い合わせるところから、一歩を踏み出してみてください。
国際結婚に限った話ではありませんが、婚活で最初の一歩が一番重い。「何から始めればいいかわからない」という方は、まず仲人に話してみるだけでも整理がつくことがあります。フォーマリッジでは無料相談を受け付けていますので、漠然とした不安でも気軽にお問い合わせください。
※国際結婚件数データは厚生労働省「人口動態統計」に基づきます。ビザ手続きは個別状況により異なるため、行政書士または出入国在留管理庁にご確認ください。
