池袋で仲人型の結婚相談所を運営していると、「国際結婚に興味があるんですが……」というご相談をいただくことがあります。仲人として率直に申し上げると、国際結婚の婚活は国内とはまったく勝手が違います。だからこそ、動き出す前に知っておくべきことがあります。
諏訪義久(すわ よしひさ)|フォーマリッジ代表
婚活アドバイザー(仲人士)。日本仲人協会「カリスマ仲人士100」選出、年間成婚優秀賞8年連続受賞。マクドナルド本社で20年間の勤務を経て独立。自身も社内結婚の経験を持つ2児の父。
「外国人のパートナーと結婚したい」と思ったとき、最初にぶつかるのは言葉でも文化でもなく、「どこで出会えばいいのか」がわからないという入り口の問題です。
先に結論を2つ。国際結婚が「減り続けている」というのは古い情報で、2021年以降は増加に転じています(厚生労働省の人口動態統計で、2024年は18,420件)。そして、大手結婚相談所の公式サイトに「外国籍は入会不可」と書いている社は、確認した範囲で1社もありません。ただし公開条件だけでは実際の受け入れまでは分からないので、個別確認が必要です。
この記事では、出会いのルートの選び方、住む場所とビザの現実、費用感まで順番にまとめます。
国際結婚は「減っている」は古い。2021年から増加に転じている
国際結婚は2006年のピークからは減ったものの、2020年を底に2021年から3年連続で増え、2023年がコロナ後のピーク。2024年もほぼ横ばいの高止まりです。
国際結婚に興味を持つと、どこかで「日本の国際結婚は減少傾向」という記事を目にします。かつては事実でした。でも、最新の確定値まで並べると、景色が変わります。
| 年 | 夫妻の一方が外国籍の婚姻件数 | 全婚姻に占める割合 |
|---|---|---|
| 2006年 | 44,701件 | 6.1% |
| 2010年 | 30,207件 | 4.3% |
| 2015年 | 20,984件 | 3.3% |
| 2020年 | 15,452件 | 2.9% |
| 2021年 | 16,496件 | 3.3% |
| 2022年 | 17,685件 | 3.5% |
| 2023年 | 18,475件 | 3.9% |
| 2024年 | 18,420件 | 3.8% |
出典:厚生労働省「人口動態統計(確定数)」夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数を当サイトで集計。2006年がピークです。

コロナ禍の2020年に底を打ったあと3年連続で増え、2024年も1.8万件台で高止まり。割合でも婚姻全体の3.8%まで戻しています。毎日50組前後が国境を越えて家族になっている計算で、特殊なケースどころか、日本社会の風景の一部です。「減っているから難しい」という前提は、データの上ではもう成り立ちません。
「外国籍はお断り」は本当か。大手の公式表記を確認した
大手6つの公式サイトを確認したところ、「外国籍は入会不可」と明記しているところは一つもなく、業界最大連盟のIBJは外国籍の方向けの必要書類を公式に案内しています。
「大手の相談所は外国籍を門前払いする」という話をネットで見かけます。実際はどうなのか、全国展開する大手の相談所5社と業界最大の連盟IBJについて、公式の一次情報を確認しました。
| 相談所・連盟 | 外国籍についての公式記載 |
|---|---|
| IBJ(日本結婚相談所連盟) | 外国籍前提の書類案内あり |
| IBJメンバーズ | 記載なし |
| ツヴァイ | 記載なし |
| オーネット | 記載なし ※ |
| スマリッジ | 記載なし |
| エン婚活エージェント | 記載なし |
※ IBJは連盟(全国の加盟相談所のネットワーク)、IBJメンバーズはその直営店、他は個別の相談所です。IBJの公式案内には「外国籍の方は独身証明書ではなく、大使館・領事館が発行する婚姻要件具備証明書が必要」とあり、外国籍の入会を前提にした書類ルールが存在します。オーネットの入会条件にある「日本在住の方」は住所・郵送の要件で、国籍の条項ではありません(いずれも2026年8月・各公式サイトで確認)。
整理するとこうです。「外国籍不可」と公式に書いているところはゼロ。ただし「外国籍歓迎」と明言しているところもゼロ。つまり公開されている条件だけでは、実際に入会できるか・お相手を紹介してもらえるかまでは分かりません。日本語でのやり取りができるか、書類(婚姻要件具備証明書など)が揃うかが実務上のポイントになるので、候補には「外国籍の会員は在籍しているか」「書類は何が必要か」を最初の問い合わせで直接確認してください。
その上で、国際結婚を目指す出会いのルートは大きく3タイプに分かれます。
① 国際結婚専門相談所:特定の国の方との結婚を最初から決めている人におすすめ。ビザ相談までサポートする社もあります。会員数が少ない場合があるほか、運営会社・料金・解約条件の確認はとくに慎重に。
② 大手相談所で外国籍会員と出会う:国籍にこだわらず、条件の合う相手の中に外国籍の方も含めて探したい人におすすめ。外国籍会員の在籍数は店舗・時期で変わるため、事前確認が必須です。
③ 海外在住者向けの相談所:海外在住の日本人や、日本語が話せる外国籍の方・帰国予定者におすすめ。オンラインお見合いが中心で、対面サポートは限定的です。
どのタイプでも、入会前に確認すべきことは同じです。
- 外国籍会員の登録・在籍が実際にあるか:ここで想定と違うケースが最も多い
- バイリンガル対応のカウンセラーがいるか:お見合いの段取りから交際中の相談まで、言語の問題がつきまとう
- ビザ手続きのアドバイスまでしてくれるか:ここまでカバーする相談所は少ないが、あると心強い
この3つを軸に、必ず複数へ問い合わせて比較してください。1社で決めるのは、国際結婚ではとくにリスクが高い判断です。なお、この記事で個別の専門相談所を名指しで紹介していないのは、料金・運営会社・解約条件まで確認できたところだけを扱う方針のためです。専門相談所を検討する場合は、公式サイトの特定商取引法に基づく表記(運営会社・所在地)と解約条件を必ず見てから判断してください。
「外国人女性と結婚したい」は珍しくない。実際の国際結婚を国籍データで見る
日本人男性と外国人女性の結婚は年11,517件(2024年・国際結婚全体の6割超)で、お相手の国籍は中国・フィリピンが群を抜いて多いのが実態です。
「外国人の女性と結婚したい」という希望は、国際結婚系の検索の中でも大きな割合を占めます。仲人として最初にお伝えしたいのは、この希望自体は何もおかしくないということ。育った文化が違う相手に惹かれるのは自然なことです。では、実際の国際結婚はどの国の方と多いのか。先に断っておくと、これは「どの国がおすすめ」という話ではなく、現実にどんな組み合わせが多いかという実態データです。
| 妻の国籍(夫が日本人の場合) | 2024年の婚姻件数 |
|---|---|
| 中国 | 3,287件 |
| フィリピン | 2,460件 |
| 韓国・朝鮮 | 1,177件 |
| タイ | 824件 |
| その他の国 | 3,769件 |
| 合計 | 11,517件 |
出典:厚生労働省「人口動態統計(確定数・2024年)」夫妻の国籍別婚姻件数より当サイト集計。ちなみに逆方向(日本人女性と外国人男性)は年6,903件で、夫の国籍は韓国・朝鮮、米国、中国の順。この記事の内容は、男女どちらの方向でも同じように当てはまります。
道の選び方は、順番が大事です。まず「どの国の方か」より先に、「日本で暮らすのか、相手の国で暮らすのか」を自分の中で決めるのが先です。その上で、日本在住の外国籍の方との出会い(大手相談所や専門相談所)か、海外在住の方との出会い(専門相談所・オンライン)かというルートを選びます。マッチングアプリにも外国人利用者はいますが、結婚前提かどうかの見極めが難しいのが実情です。アプリで数ヶ月活動して「結婚を考えている相手」に出会えていないなら、独身証明書の提出がある相談所ルートに切り替える目安と考えてください。
一つだけ、仲人としての助言を。「〇〇人の女性は家庭的だから」といった国籍のイメージから入る婚活は、うまくいきません。イメージと結婚することはできず、結婚するのは生活習慣も価値観も個別の、一人の人だからです。国籍は希望条件の一つとして持ちつつ、言語・住む場所・家族との関係を対等に話し合える相手かどうかで選ぶこと。それが、国際結婚がうまくいく人の共通点です。
言葉より「住む場所の問題」を先に整理しないと国際結婚は難しくなりやすい
英語力よりも「どこに住むか」という問題のほうが国際結婚の大きな関門になりやすいです。

「英語が話せないと国際結婚は無理でしょ?」。これ、よく聞く不安です。でも、婚活カウンセラーへのヒアリングで繰り返し出てきた言葉は意外なものでした。「語学力よりも、どこに住むかを決められるかどうかのほうがずっと大事です」。
成婚に至ったカップルに共通する特徴を整理すると、言葉の上手さは上位に入ってきません。代わりに出てくるのは、もっと生活に根ざした覚悟の話です。
| 共通する特徴 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 英語を共通言語として使う | お互いがネイティブでなくても英語でコミュニケーション。完璧より「伝えようとする姿勢」が重要 |
| 居住地を交際中に決めている | 「日本に住む」「相手国に住む」「どちらかが移住する」を早期に合意。曖昧にすると成婚後に摩擦が大きい |
| 相手の国を実際に訪問した | 家族・生活環境・食文化を自分の目で見ている。「想像と違った」という離婚リスクを下げる最短ルート |
| 宗教・食文化の違いを受け入れている | 違いを「問題」ではなく「面白さ」と捉える柔軟性がある |
| 子どもの教育方針を話し合っている | バイリンガル教育・国籍の扱いを交際中に確認しておく |
※婚活カウンセラーへのヒアリングをもとに独自作成。
とくに2番目の「居住地の合意」は、甘く見ると取り返しがつかなくなります。交際中は「なんとかなるよね」で済んでいたことが、結婚後に現実の重さを持って降りかかってきます。仕事を辞めて異国に移住するのか。親の介護はどうするのか。子どもの学校は。これらを「交際中に」話し合えたカップルが、成婚後も安定しているというのは、考えてみれば当然の話です。
仲人として会員さんのお見合いに立ち会ってきた経験から一つだけ補足すると、国際結婚に限らず、「将来どこに住むか」を曖昧にしたまま成婚退会されたカップルほど、後から相談の連絡をいただくことが少なくありません。逆に、交際中にお互いの親御さんの住む街まで一緒に訪れたカップルは、驚くほどスムーズに新生活をスタートされています。
ビザの準備を後回しにすると予想外のコストと時間に追い詰められやすい
ビザや渡航などの追加コストは、項目の積み上げ次第で数十万円から100万円近くになることもあり、後回しにすると資金計画ごと崩れやすくなります。

国際結婚のもう一つの関門が、ビザです。日本で夫婦として暮らす場合、多くのケースで「日本人の配偶者等」への在留資格の取得・変更を検討することになります(就労資格や永住資格のまま暮らせる場合もあります)。相手が海外にいる場合の大まかな流れは次のとおりです。
- 日本で婚姻届を提出(このとき外国籍側は婚姻要件具備証明書が必要。相手国での手続きが別途要る場合あり)
- 居住予定地を管轄する地方出入国在留管理官署に「在留資格認定証明書」を申請(標準処理期間は1〜3ヶ月・出入国在留管理庁の公式記載。書類が揃っていないと大幅に遅れるとも案内されています)
- 認定証明書を相手国の日本大使館・領事館に提出してビザ申請
- ビザ取得後に日本へ入国・在留カード取得
- 在留期限が来たら更新申請(結婚後も更新のたびに書類と審査があります)
相手がすでに留学や就労で日本に在留している場合は、呼び寄せではなく「在留資格変更許可申請」となり、流れも所要期間も変わります。いずれの場合も手続きは個別状況で異なるため、複雑なケースでは行政書士に相談するのが確実です。
費用は、相談所の費用とは別に次のような項目が上乗せされます。
| 追加費用の項目 | 目安 |
|---|---|
| ビザ申請(行政書士に依頼する場合) | 5〜15万円程度 |
| 相手国への渡航費 | 1回あたり数万〜数十万円×複数回(挨拶・訪問) |
| 相手国での婚姻手続き費用 | 国によって大きく異なる |
| 書類翻訳・公証費用 | 数万円程度(戸籍謄本の翻訳、アポスティーユなど) |
渡航が2〜3回重なるだけで数十万円になるため、積み上げると国内婚活より数十万円から100万円近く多くかかることもあります(当サイトの目安)。知らずに始めて途中で資金が尽きるのが最悪のパターンなので、先に全体像を予算に組み込んでおいてください。相談所そのものの費用感(初期費用・月会費・成婚料)と、入会に必要な書類も、あわせて先に確認しておいてください。
よくある質問
- 外国人と出会える結婚相談所は、本当に少ないのですか?
-
「大手は外国籍お断りばかり」という情報を見かけますが、大手の公式サイトを確認した範囲では「外国籍は入会不可」と明記しているところはなく、IBJは外国籍の方向けの必要書類(婚姻要件具備証明書)を公式に案内しています。ただし外国籍会員の在籍数は相談所・店舗ごとに大きく異なるため、「外国籍の会員は実際に在籍しているか」を入会前に直接確認するのが確実です。
- 外国籍で独身証明書が用意できません。入会できますか?
-
IBJの公式案内では、外国籍の方は独身証明書の代わりに本国の「婚姻要件具備証明書」(大使館・領事館で取得)を提出する運用です。この書類は日本で婚姻届を出す際にも必要になります。取得方法は国籍によって異なり、国によっては発行制度がなく宣誓書などの代替書類になる場合もあります。自国の在日大使館・領事館と、入会先の相談所の両方に確認してください。
- お見合いは日本語でないといけませんか?
-
国際結婚対応の相談所であれば、英語や通訳同席でのお見合いが可能なケースがあります。バイリンガルカウンセラーが間に入るケースもあります。入会前に「どの言語でお見合いができるか」を確認してください。
- 国際結婚の費用は国内婚活よりどのくらい高くなりますか?
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相談所費用自体は大きく変わりませんが、ビザ申請(行政書士に依頼する場合5〜15万円程度)、複数回の渡航費、相手国での手続き費用、書類翻訳・公証費用が追加でかかります。積み上げ次第で、国内婚活より数十万円から100万円近く多くかかることもあります。
- 子どもが生まれた場合、国籍はどうなりますか?
-
日本人と外国人の間に生まれた子どもは、相手国の法律によっては出生時に重国籍となる場合が多くあります。日本の国籍選択の期限は、18歳に達する前に重国籍になった場合は20歳に達するまで、18歳以降に重国籍になった場合はその時から2年以内です(成年年齢引き下げに伴う国籍法改正・2022年4月施行。法務省「国籍の選択について」参照)。子どもの教育方針・国籍の扱いは交際中に話し合っておくことをおすすめします。
諏訪義久(仲人士)からひとこと
国際結婚の婚活は、国内の婚活とは別のゲームです。ルールも、かかる時間もお金も違います。でも、だからこそ「ちゃんと準備した人」が強いんです。
対応できる相談所を自分の目で確認すること。居住地やビザの問題を交際中に話し合うこと。追加コストを予算に組み込むこと。どれも地味な準備ですが、データが示すとおり国際結婚は再び増えています。準備して動き出した人から、静かにうまくいっています。
言葉の問題は、入り口では翻訳ツールとカウンセラーの通訳でなんとかなります。生活が始まってから要るのは語学力そのものより「伝えようとする姿勢」です。それよりも大事なのは、「この人と一緒に暮らすために、何を決めておくべきか」を冷静に考えられるかどうか。国境を越えた婚活は大変ですが、その分だけ、うまくいったときの人生の広がりは計り知れません。まずは候補の相談所に「外国籍の会員はいますか」と一本問い合わせるところから、一歩を踏み出してみてください。
※国際結婚件数は厚生労働省「人口動態統計(確定数)」、ビザ手続きは出入国在留管理庁、国籍選択は法務省の公開情報に基づきます(いずれも2026年8月確認)。ビザ・国籍の手続きは個別状況により異なるため、行政書士または各機関にご確認ください。
